ハナチルサト

橘の香をなつかしみほととぎす花散る里をたづねてぞとふ

映画『ハニーレモンソーダ』観てきました

行ってきました。 SnowManラウールさん主演『ハニーレモンソーダ』。 甘酸っぱい青春群像劇を全身に浴びて、しゅわきゅんなるものを味わってきました。

きっかけはSnowManファンの友人。

SnowManの新曲が主題歌なんだけど映画館のいい音響で聴いてみたい。でもターゲット層がかなり若いだろうからはずかしい。迷ってる」

という会話からで。 友人はとても繊細な人なのです。 「気にしなくていいんじゃない?」 のひと言で片付けるのはあまりに乱暴。

後述しますが私はラウールさんに少々思い入れがあって、なおかつ彼の容姿は大変美しい、至高、芸術と常日頃思っておりまして。 観たい。大画面で観たい、ラウールさんを…!

「それならラウールくんのお顔大好きな私を連れて行っちゃいなよ!」

こうして話はサクサク進み、かくして私は〝ハニレモでぷるぷる〟(ラウールさん考案)な空間へ足を踏み入れたのでありました。

 

 

【これより映画及びパンフレットの内容にも触れるので避けたい方はご注意です】

 

舞台は八美津(はちみつ)高校…うん、さすが『りぼん』そう、りぼんってこんなだった!原作未読ながら、りぼんでの連載作品という予備知識は入れていたので、かつてりぼんを愛読していた元少女の私、すでにワクワク。 CMでよく流れている吉川愛さん演じるヒロイン石森羽花(うか)とラウールさん演じる三浦界との出会いのシーン。 界くんはご覧の通りの容姿(だって中の人ラウールさんだぞ)で学校中の人気者ですので、妬んだ柄の悪い輩に絡まれるんですが勢いよく振ったキリンレモン(皆で飲もうキリンレモン!)を相手に向かってぶちまけます。しかし本人たちには避けられ、それを全部浴びちゃったのが羽花ちゃんっていう…。 なぜか羽花ちゃんの方が謝ってその場から走り去りあっけにとられる界。 THE 王道!少女マンガ最高! 元りぼんっ子の私、心の中でスタンディングオベーション!!

吉川愛さんの演技が凄くてですね。 元々、羽花ちゃんって中学時代に陰湿ないじめにあっていて心の傷を負っているわけですが、いじめた側も同じ高校に進学しているので、そのいじめは続いているのです。変わりたい、変わらなきゃと常に心の中で自分自身と戦っているんですが、なかなか人って変われないし、そもそも、いじめなんて理不尽で醜悪なものですから彼女自身ではどうしようもないもので…そんな時に彼女はただただ耐えて俯いて拳をぎゅーっと握るんですね。いじめの相手に「石」とあだ名をつけられるほど、ただただ固まってしまう。

パンフレットで吉川さんは「〝自分は石だ〟と思っている時の羽花ちゃんのクセを取り入れた」とおっしゃっていますが、その時の横顔と手の動きがなんとも切なくて。私に力があれば作品の中に入り込んで羽花ちゃんを守りたかった。

しかしこの作品の中には彼がいる。そう界くんが!!

パンフレットの中で原作者の村田真優さんが 「女の子には現実を、男の子には理想を詰め込んだ」 とおっしゃっているのですが本当にその通りで、界はただ羽花を守るだけではなく「どうして欲しいか、助けが必要なのか」羽花にきちんと言葉にするように促すんですよね。守るだけではなく、導く。ただ石のように固まっていた羽花が初めて「助けて」と救いを求めたのが界。くっ…!尊すぎる…!

で、そんなこんなでいろいろあって、ああなってこうなって、界と羽花はお付き合いを始めるわけですが、界には界の事情があって孤独を抱えており、界自身も「変わりたい」と強く思っている人であることが明らかになっていきます。界は自分のことをあまり好きじゃない人。そんな自分を無邪気に慕い、崇拝する羽花に後ろめたさを感じるようになり、次第に彼女に距離を置くようになります。

この界の孤独と葛藤が描かれる後半パートのラウールさんの演技が私にはしっくりきたのですがパンフレットの中でラウールさんご本人が「うっすら自分に近い要素がある。後半パートの方が演じやすかった」とおっしゃっていたので、なるほどと。

あとパンフレット内の彼のインタビューで興味深かったのは「普段から感情が出る時は歌ったり踊ったりしている時なので体を動かす方が感情表現しやすかったのかと今となっては思う」というところ。ご自身の演技をそういうふうに分析するのかと興味を惹かれましたし、それも踏まえて、また彼の演技を観てみたいと思いました。

この物語は原作者の村田さんは「せっかくの漫画なので性善説が漂うように意識している」とおっしゃっていることから王道の少女マンガと言えるでしょう。

神徳監督が「界と羽花の成長や葛藤も観てくれる方に響いてもらえると…」と述べてある通り界と羽花を取り巻く友人達の描写が丁寧なのと、主要人物が全員善人なので彼らと接して羽花の心が次第にほぐれていく描写や、自分の殻に閉じこもってしまった界にそっと手を差し伸べる彼らの姿がストーリーにしっくりと馴染んでグッときました。

これから映画を観る方はパンフレットの購入をお勧めします。俳優さん達の座談会ではTwitterで話題、強火ラウール担の濱田龍臣さんを感じられて楽しいですよ。 登場人物のスタイリングやヘアメイク紹介、羽花や界の部屋の美術紹介などもあって面白いです。

プロデューサーの石田聡子さんは「SnowManに加入したばかりのラウールで主演映画を製作したいと考えていた」とあって、ラウールさんをキャスティングした後に作品決めたの!?とびっくりしました。 そりゃラウールさん輝いて見えるはずだわ。普段から発光してるけど。

このように思わぬこぼれ話もありますのでパンフレット是非。私は当日バタバタして買い忘れてしまい後日また劇場にパンフレット買うためだけに行ったのですが、その甲斐ありました!是非是非!

 

前述したラウールさんへの思い入れの話ですが、別の友人が熱心なJr.担で、Jr.の皆さんをこよなく愛するタイプのオタク。彼女に私もいろいろ教えてもらっていたのですが、その友人が「少年忍者にラウールくんっていうすごい子がいる」と言っていて、しばらくして「あのラウールくんがSnowManに加入した」との報告が。成長期の男の子があのSnowManに!?と、とても驚いたのを今でも覚えています。

そこから友人と

「ラウールくんは元気か」

「給食食べてからお稽古に来たんですって」

YouTubeのゲームで渡辺くんの食べたいもの当てられないって泣きそうになってた」

などと微笑ましく見守ってきました。 デビューが決まった時は本当に嬉しかったな。 14.5歳(そこら辺曖昧)だったラウールくんが18歳(撮影当時は17歳かな?)になって大きなスクリーンでこんなにかっこいい役を演じるなんて。Jr.担とも一緒に観たかったな。

今は遠方に住むJr.担に 「ハニレモ観たよ」 と早速、連絡しました。

「どうだった?」

「ラウールくんすっっごくかっこよかったよ」

「うちの子立派になったなあ。私も観に行くよ。Jr.推すって時々苦しいけど、こんな嬉しいこともあるからやめられないね」

という彼女の言葉にジーンとしながら、彼女に観せてもらった『素顔4・SnowMan盤』収録『朝焼けの花』の歌詞を思い出しました。

「夢は朝日浴びてひらひらと 朝焼けの空に舞う

僕らまた導かれるように 今日を歩き始める」

私の大好きな曲です。 素顔4では声変わりをほとんどしていないボーイソプラノだったけれど昨年少クラで歌った時は声変わり直後の喉から振り絞るような歌声に胸がギュッとなったのを覚えています。

ラウールさんは彼の成長を見させてもらいながら感動をもらったり、彼の夢や目標が叶うといいなと陰ながら応援している人だったので、今回の映画でキュンとさせてもらって嬉しいのと、あー!ついにキュンとさせられてしまった!やられた!と悔しいような。

いい大人でも楽しめましたよってお話にしたかったのに最後は自分語りになってしまいましたが。

どうぞ皆さんも劇場で「しゅわきゅん」味わってみて下さい。しつこいようですがパンフレットは必須ですよ!